浅学菲才の嘆息

小川たまかさんの「告発と呼ばれるものの周辺で」を読んで

 前作『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話しを。』から4年が経過し、性暴力被害、年齢差別、ジェンダー格差、など、多くの人がフタをする問題を取材し、発信し、声をあげるライター小川たまかさん。本書は、緻密に、そして多面的に調査し、インターネットとSNSの書き込みも明確にし、性暴力被害の裁判録とその課題、特に被害女性へのセカンドレイプの問題などを明らかにしていく。野球場のビールの売り子がなぜ女性が多く、マネージャーの男性から支配・搾取される自身の体験。痴漢被害者については、牧野雅子さんの著書「痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社科学」と連携する内容が充実。痴漢の加害と被害、警察と裁判のありようなど、これからの課題を問題提起する。ジェンダー問題に潜在化する様々な課題が綴られ「はっ」とすることも多い。男女を問わず、多くの人に手に取ってもらって知見を広げて欲しい。

 

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小川たまか:告発と呼ばれるものの周辺で.2022(3月1日第1版第1刷購読)

 

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