浅学菲才の嘆息

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

朱野帰子さんの「会社を綴る人」を読んで

作家、朱野帰子さんの作品でドラマにもなった「わたし、定時で帰ります」3部作は、IT企業働く労働者の辛労辛苦を、インパール作戦、忠臣蔵、女工哀史を対比しながら現在のクリエイティブなIT企業の光と闇を小気味よい展開で綴り、会社組織で働く女性の活…

中北浩爾さんの「日本共産党 『革命』を夢見た100年」を読んで

中国共産党結党より1年遅れて、日本共産党はコミュンテルンの日本支部として結成され2022年7月15日に創立100周年を迎えた。スパイ、裏切り、特高警察による弾圧や公安警察による謀略、創価学会からの盗聴事件、暴力革命路線との決別、中露共産党の干渉との闘…

深沢潮さんの「かけらのかたち」を読んで

40歳~50歳代の熟年期の男女が、大学生時代のテニスサークル同総会に集まる主役に、そのパートナーもぎこちなく参加する。学生時代に共に過ごした仲間内の人間関係や恋愛関係に、パートナーの過去を知らない同伴者の心の揺れや嫉妬。短編の展開の中で、徐々…

林博史さんの「帝国主義国の軍隊と性 売春規制と軍用性的施設」を読んで

2022年9月29日、従軍慰安婦をテーマにした映画「主戦場」について、3年にわたる裁判は、同意なくインタビュー映像を使われたなどとして、米国人弁護士ケント・ギルバート氏ら5人が、ミキ・デザキ監督や配給会社「東風(東京)」に上映中止と損害賠償を求めた…

特定非営利活動法人コンシューマーズ京都監修の「老いる前の整理はじめます!暮らしと『物』のリアルフォトブック」を読んで

3年ほど前に職場に書籍の案内があり、「終活」も話題になっていたことから職場のみなさんと一緒に購入したが、積読になっていた。最近、長くつきあいのあった独居の方が自宅で孤独死され、身寄りは施設入所中の妹さんのみで、成年後見人制度を利用しているこ…