浅学菲才の嘆息

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

倉沢愛子さん,松村高夫さんの「ワクチン開発と戦争犯罪 インドネシア破傷風事件の真相」を読んで

2021年夏、2週に渡ってNHKでインドネシアの破傷風ワクチン開発と現地ロームシャ(労務者)への人体実験や泰緬(たいめん/タイとベトナム)鉄道等への強制労働、そして戦地では帝国軍人がマラリアの特効薬キニーネを巡って、友軍衛生兵からキニーネを強奪…

小川たまかさんの「たまたま生まれてフィメール」を読んで

著者であり、ライターの小川たまかさんの書籍は、2018年出版の「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話しを。」、2022年出版の「告発と呼ばれるものの周辺で」、に続く3冊目の読書となった。 性暴力の取材に取り組むライター小川たまかさんの…

水生大海さんの「最後のページをめくるまで」を読んで

著者の水生大海(みずきひろみ)さんの作品との出会いは、「社労士のヒナコ」シリーズ3部作で、作品を読んだと言うより労働法制について学ばせて頂いたのが正解かもしれない。職場の同僚にも紹介し、読んでもらって感想を出し合った。そのご縁で、本作品を読…

映画「雪道」を鑑賞して

映画「雪道」を鑑賞した。 私は、吉見義明氏らを含む多くの著書や資料を読んで「従軍慰安婦」は歴史の事実であり、なかったことにはできないという立場で映画を鑑賞した。 今回は韓国映画として制作されているが、日本人慰安婦も含めて、アジア・太平洋地域…

田中ひかるさんの「明治のナイチンゲール大関和(ちか)物語」を読んで

本書は明治期に看護婦の黎明期として活躍した大関和の伝記であり、日本の医療と看護を歴史的時代背景の中で広く捉え、看護婦養成制度の基礎などを学ぶ事ができる書籍である。明治に入って「金のために汚い仕事も厭(いと)わず、時には命まで差しだす賤業(…