浅学菲才の嘆息

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

玉川寛治さんの「飯島喜美の不屈の青春」を読んで

玉川寛治さんの丹念な歴史検証と熱意に、敬意を込めて。 飯島喜美は、1912年に千葉県の貧しい家庭に産まれ、尋常小学校卒業後の12歳から女中奉公に出され、15歳頃より東京モスリン紡績株式会社亀戸工場女工となる。週休1日、12時間勤務の2交代制という劣悪な…

清田隆之さんの「さよなら、俺たち」を読んで

近年、フェミニズム、#MeToo、#KuKuu、など、ジェンダー平等が大波となって社会現象になっているが、男性からの発信はあまり多くない。著者は、自身の成長過程での違和感をふり返り、桃山商事の活動を通じて女性たちとの対話、ニュースやカルチャー、多くの…

太田啓子さんの「これからの男の子たちへ 『男らしさ』から自由になるためのレッスン」を読んで

子供の頃から「男らしさ」が求められ、男性の優越感、特権的待遇にあぐらをかいてこなかったか。逆に、「男らしさ」の呪縛に押し潰され、部活や職場で苦しい思いをしてこなかったか。本書は、世界の中でジェンダーギャップ指数が極めて低い日本の現状を踏ま…

佐々木憲昭さんの「日本の支配者」を読んで

闇の支配者、陰の支配者はいるのか。総理大臣や閣僚は、本当に自分の政治信念で発言しているのか。近年の総理大臣や閣僚は、官僚のシナリオを読むだけで、自らの語彙表現で国民に対話をしない。マスコミも歯切れが悪い。誰に気を遣い、忖度しているのか。 本…

藤田廣登さんの増補新版「時代の証言者 伊藤千代子」を読んで

随分前に大正から昭和初期にかけて、若い女性達が命がけで自由と民主主義のために闘った話しを聞いたことがある。男性で言えば、治安維持法に反対し刺殺された山本宣治代議士や治安維持法違反で逮捕され、拷問死したプロレタリア作家の小林多喜二とういと重…