浅学菲才の嘆息

石川優実さんの「#KuToo(クートゥー)―靴から考える本気のフェミニズム」を読んで

 石川優実さんを知ったのは、2021年11月30日に発売された著書「もう空気なんて読まない」を購読し、Twitterの#KuTooで靴と苦痛をかけた造語で一躍有名になり、自分の経験を元に、女性として生きていく過去の厳しい体験、そしてフェミニズムについて、縦横に語られた。この書籍をきっかけに石川優実さんを知り、本書が訴えられたために、販売数が伸び悩んでいることを知り、応援の意味で購読した。裁判は勝訴となったが、石川優実さんへの誹謗・中傷や攻撃が続いていることに、日本のジェンダー平等への根深さが深刻であることが認識できる。本書では、Twitterの経過と記録を丹念に追いかけ、いかに攻撃側が理不尽で、欺瞞に満ちたものであるかが綴られる。石川優実さんの主張を「自分が絶対正しい」と言わんばかりに、どうにか石川優実さんを遣り込めようと執拗に攻撃し、言い負かせなくなると論点をずらしてさらに食い下がる人たちが、ある意味においては病的でさえ思える。彼らもまた、被害者で石川優実さんに攻撃することで自分を保とうとしているのか?労働法制など、多面的・複眼的に捕らえた内容に、学ぶことも多く、多くの人が手に取って、学びを深めて欲しいと願っている。

 

石川優実:#KuToo(クートゥー)――靴から考える本気のフェミニズム.現代書館,2019(11月20日第1版第1刷発行)

 

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