浅学菲才の嘆息

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

深沢潮さんの「李の花は散っても」を読んで

本作品は、時代背景として元号では大正時代、西暦では1910年に朝鮮併合を行ったあとの日本と朝鮮の歴史について世界史を俯瞰しつつ2人の女性の生涯を丁寧に描く。一人の女性は、朝鮮王朝に嫁いだ日本の皇族の方子。日朝融和の象徴としての政略結婚に五里霧中…

古屋星斗さんの「ゆるい職場 若者の不安の知られざる理由」を読んで

昔から「今の若いものんは」と先輩達が嘆いていたが、今も昔も「今の若者」の対応と育成には苦慮する。社会背景や生活歴の違いも大きく関与するだろうが、2020年代の若者の特徴を、リクルートワークス研究所主任研究員の古屋星斗氏が、統計資料等も含めて検…

映画「こんにちは、母さん」を鑑賞して

映画「こんにちは、母さん」を鑑賞した。冒頭、東京駅や東京スカイツリーなど超近代化した風景と対照的な、下町の風情が今も息づいている東京を巨匠が見せる。 各キャストの心情、喜怒哀楽、ときめきと落胆、山田監督らしい人間味を前面に押し出した展開に、…