浅学菲才の嘆息

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

猿田佐世さん編著の「米中の狭間を生き抜く 対米従属に縛られないフィリピンの安全保障とは」を読んで

編著の猿田佐世氏は、弁護士として外交問題を研究する新外交イニシアティブ(ND)代表を務める。日本は、敗戦後の米軍占領統治と日米安全保障条約と日米地位協定により、米軍駐留を許し続け、駐留米兵が起こす事件も日米地位協定が警察や司法権を大きくゆ…

岡野八代さんの「ケアの倫理-フェミニズムの政治思想」を読んで

フェミニズムを深く研究し、広め、そして社会運動に参加する著者だからこそ、男性の理論で構築された社会のなかで、女性たちが自らの声で語り、自らの経験から編み出したフェミニズムの政治思想、ケアの倫理を重層的に論説する。ケアの倫理とは、女性たちの…

伊藤宣広さんの「ケインズ-危機の時代の実践家」を読んで

ケインズは経済学者として、「雇用・理事及び貨幣の一般論」を発表し、マクロ経済学の理論を展開した。本書では、ケインズの研究や業績の背景を1910年代の第1次世界大戦後の戦後処理、金本位制復権問題、1930年代の世界恐慌など、時論を展開する必要に迫られ…