浅学菲才の嘆息

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

赤旗編集局(編)の「日本の侵略 加害と被害の真実-忘れないために」を読んで

「赤旗」記者が戦争体験者や専門家を訪ね、取材を重ねた書籍として、日本の侵略と加害の全体像を網羅的に、かつ平易にまとめた導入書となっている。 歴史として必要な体験者の事実の積み重ね、専門家による加害と被害の事実を国内外の情勢との関係で分析され…

赤瀬浩さんの「長崎丸山遊郭 江戸時代のワンダーランド」を読んで

先日1995年初版の吉見義明さんの「従軍慰安婦」を読んでいて、 陸軍では、上海派遣軍の岡村寧次参謀副長副参謀長が海軍の慰安所を参考にして、1932年3月から(慰安所の)設置あたった。その回想によれば、上海で日本軍人による強姦事件が発生したので、これ…

平井美帆さんの「ソ連兵に差し出された娘たち」を読んで

アジア・太平洋戦争では、日本の貧困や飢餓から村をあげて旧満州への移民政策が推し進められた。移民政策と同時に現地に住む中国人の住居を接収し、日本人に追い出された多くの中国人が困窮した。敗戦と同時に、中国人はかつて日本人が行ったとおり、日本人…

稲田豊史さんの「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレーコンテンツ消費の現在形」を読んで

なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか。なんのために。それで作品を味わったといえるのか?著者の疑問から、近年の若者たちの置かれている現状や背景から考察する。とにかく忙しい、時間がない、一方でスマホのSNSでは24時間縛り付けられ…

栗原俊雄さんの「東京大空襲の戦後史」を読んで

一夜にして10万人の民間人が殺害された東京大空襲では、77年が経過した今でも被害に苦しむ多くの人たちがいる。社会全体の無知や無関心、偏見に苦しめられながらも、国に対して救済を求めて立ち上がった空襲被害者たちの闘いと、政府や司法、立法の不誠実な…

加藤圭木さん監修、一橋大学社会学部加藤圭木ゼミナール編集の「『日韓』のモヤモヤと大学生のわたし」を読んで

一橋大学社会学部加藤圭木准教授と韓国からの留学生を含む5人のゼミナール学生が、日韓のモヤモヤを共有し、日韓の歴史を学び、考えていきます。 K-POPを楽しみ、韓流映画にはまり、韓流推しを友人と共有すると「反日」の烙印を押される。インターネッ…

吉見義明さんの「従軍慰安婦」を読んで

アジア・太平洋戦争の敗戦記念日を前に、過去の過ちに向き合おうと、1995年に出版された吉見義明氏の従軍慰安婦を読んだ。 1991年12月、はじめて3人の韓国人元従軍慰安婦が、日本政府の謝罪と補償を求めて東京地裁に提訴し、日本人に衝撃をあたえた。しかし…