浅学菲才の嘆息

映画「ラーゲより愛を込めて」を鑑賞して

 近現代史を学ぶ者として、シベリア抑留を題材にした本作「ラーゲより愛を込めて」を鑑賞した。

 田舎の映画館にもかかわらず、日曜日の朝一番の上映ながら、200人程度収容の劇場の半分くらいが埋まっていて、なかなかの人気映画だと理解した。それは、純愛ドラマととらえる向きも少なからずあるのだろうか、それとも魅力ある役者さんが沢山出演したからだろうか?

 

 ストーリーや内容はさておき、歴史の事実を一定程度おさえた映画であることは、近現代史を学ぶ者としてとても重要なメッセージを伝える映画だと思った。

 

(1)日本軍が中国人捕虜や住民虐殺を描いた点

(2)ソ連軍が日本軍捕虜や非戦闘員を含む日本人に対しシベリアで強制労働を行った事を描いた点

 国際法である「ハーグ陸戦条約」によって、捕虜や非戦闘員への取扱が明確に記されているにもかかわらず、日本軍とロシア軍双方の問題を指摘した点であると思う。

ja.wikipedia.org

アジア太平洋戦争、そして第2次世界大戦

 日本軍が行った中国への重慶爆撃や平頂山事件、南京虐殺通州事件。アジア・太平洋地域で行った住民虐殺など。

 米軍が行った日本への本土空襲や原爆投下などの無差別住民・非戦闘員への殺戮行為。

 

 今現在行われているウクライナ戦争でも、無差別爆撃により、少なくないウクライナ住民・非戦闘員がミサイル攻撃などにより命を落としていが、これは明確なハーグ陸戦条約違反にあたるだろう。