浅学菲才の嘆息

清田隆之さんの「さよなら、俺たち」を読んで

 近年、フェミニズム、#MeToo、#KuKuu、など、ジェンダー平等が大波となって社会現象になっているが、男性からの発信はあまり多くない。著者は、自身の成長過程での違和感をふり返り、桃山商事の活動を通じて女性たちとの対話、ニュースやカルチャー、多くの文献を通して、男性の視点でジェンダー平等を考える。「男だから」といって与えられた特権や優越感を内省し、自身のこれまでの言動や行動、心の揺らぎを赤裸々に語り、ジェンダー平等を多面的に捉える。性的同意や生理にかかわる男性の知識不足と無理解、そして自民党改憲草案からジェンダー平等がいかに脅かされているか、など幅広く考える。最後に「高度に発展した資本主義社会と人間の関わりを学びたい」として、これからの自身の生き方、パートナーや双子の子供たちとの関わりを展望する。

 

清田隆之:さよなら、俺たち.スタンド・ブックス,2020(12月27日第3刷発行)

 

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