浅学菲才の嘆息

太田啓子さんの「これからの男の子たちへ 『男らしさ』から自由になるためのレッスン」を読んで

  子供の頃から「男らしさ」が求められ、男性の優越感、特権的待遇にあぐらをかいてこなかったか。逆に、「男らしさ」の呪縛に押し潰され、部活や職場で苦しい思いをしてこなかったか。本書は、世界の中でジェンダーギャップ指数が極めて低い日本の現状を踏まえ、自身が2人の男の子の子育てを通じ、これから男性としてどのように生き、考えいくのが望ましいか具体例を上げて、問題提起します。また、相手・パートナーの立場にたって、恋愛や結婚、セクハラや性暴力について、深く考えていきます。特に、性の同意、避妊など、遅れた日本の性教育に警鐘をならします。章ごとに、小島慶子さんらとの対談を交えて、課題の整理と具体的解決策を考えていきます。私たち世代が次世代に残すべきこと、特に男の子を育てる者としては、「差別的男性にさせないこと」、「性差別や性暴力に怒り、共にたたかってくれる男性を増やすこと」と提起します。

 

これからの子供たちへ「男らしさ」から自由になるなるためのレッスン:太田啓子.大月書店,2020(8月21日)

 

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