浅学菲才の嘆息

映画「1917 命をかけた伝令」を鑑賞して

 

 新型コロナウイルスが騒がれはじめた2020年2月中旬、上映開始と同時に鑑賞した。

 今思えば、ぎりぎりの選択だったのだと我ながら反省しきりである。浅才非学ではあるが、インフルエンザの感染期でもあったため、手洗い、手指消毒、マスク着用と感染予防策を行っての鑑賞であった。

 

 本映画の特徴は「全編ワンカット撮影」であり、スリリングな映画でもあった。個人的には、前半の塹壕で「毒瓦斯(ガス)注意」の注意喚起が行われていた。この時期、第1次世界大戦(1914年7月28日から1918年11月11日にかけて)は、航空爆撃、毒瓦斯等の化学兵器、地雷など大量破壊兵器が導入された世界戦争であったと言われている。

 

 1907年のハーグ陸戦条約(第2回の万国平和会議で改定)では、非戦闘員・俘虜の扱いを受ける権利。降伏兵の殺傷の禁止。毒瓦斯(ガス)兵器の禁止。防守されていない都市、集落、住宅または建物は、攻撃・砲撃の禁止。などが決められていたが、戦争にルールはなかったのだろう。

 

 また、この第1次世界大戦の毒瓦斯戦等を教訓に、1925年作成、1928年に発効したジュネーブ議定書では、「戦争における化学兵器生物兵器などの使用禁止を定めた国際条約」が確認された。しかし、日本とブラジルは1970年、アメリカは1975年に最終合意(1975年4月30日サイゴン陥落でベトナム戦争終戦、米国の敗北)

 

ジュネーブ議定書は正式名称、窒息性ガス、毒性ガスまたはこれらに類するガスおよび細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書。

 

「第1次世界大戦」は、1914年7月28日から1918年11月11日にかけての世界大戦。2大陣営である連合国(協商国)及び中央同盟国(同盟国)を合わせた犠牲者は、戦死者1,600万人、戦傷者2,000万人以上が記録されているという。なお、軍属は約1,000万人、民間人約700万人の犠牲者含まれるという。

一方、同時期に世界では「スペイン風邪」が蔓延。1918年1月から1920年12月まで世界中で5億人が感染したとされ、死者は1,700万人から5,000万人との推計が多い。