浅学菲才の嘆息

特定非営利活動法人コンシューマーズ京都監修の「老いる前の整理はじめます!暮らしと『物』のリアルフォトブック」を読んで

 3年ほど前に職場に書籍の案内があり、「終活」も話題になっていたことから職場のみなさんと一緒に購入したが、積読になっていた。最近、長くつきあいのあった独居の方が自宅で孤独死され、身寄りは施設入所中の妹さんのみで、成年後見人制度を利用していることは知ってはいたが、逝去後の対応に苦慮されている様であった。この事があり、両親や自分、パートナーや子供たちの将来のことを考えると一定整理しておく必要があるかと思い、目を通すことにした。

 本書では「75歳くらいになったら終活を始めよう」と思っている人が多く、しかし一定の年齢を重ねてしまうと加齢による虚弱(フレイル・体力低下)や病気により、整理や片付け、断捨離ができなくなりゴミ屋敷化してしまうことが指摘されており、確かにその通りだ。

 高度経済成長やバブル景気など物の溢れた生活を謳歌し、洋服や日用品など必要以上に買い込んで、結局着ないままの洋服や賞味期限切れの食品が収納されたままになっている。家を建てるときに広く、収納スペースをたくさん作ったことも失敗の元だったと反省させられる。毎月増え続ける1000冊を超える専門書や書籍をどうするか。定年したら読もうと思ってはいる本は少なくないが、その時には既に気力や視力も衰え、読むことができなくなってしまうのだろう。人生を逆引きして、本やDVD、CDなどの整理をしなくてはと思うが、そういった意味では電子書籍やサブスクの動画や音楽などは場所をとらずに便利なのだが、本は紙で読む派の私には馴染まない。台所では、結婚時に収納した食器は多く、来客用と思って用意した食器も、今では家族数に見合わない使わない食器が多数をしめ、食器棚を占拠している。弁当や夕飯の仕度をする私にとっては、食品ロスは課題。コロナ禍でも毎日食品を購入し、冷蔵庫の食品ロスを減らす取り組みを続けたものの、賞味期限切れの練り物や薬味、調味料など、まだまだ課題が残る。

 ああ「終活」「断捨離」。コロナ初期は、持てあました時間で一定整理をしたが、将来を見据えるとまだまだと感じる。捨てるのはもったいない、インターネット販売でのお小遣い稼ぎは面倒臭い。ああ、無情。しかし、その時のために、定期的に整理することが、パートナーや家族に迷惑をかけない事だと自分に言い聞かせて。

 今後の両親や自身のことも考え、早速知りあいの弁護士さんに相談の予約を入れた。法律の専門家の助言も受けながら、将来の事を考えていきたいと思う。なお、1年ほど前に自分の終活ノートは記載しているが、まだパートナーや子供たちには伝えていない。近いうちに話しをしておいた方が良さそうだと実感した。

 

特定非営利活動法人コンシューマーズ京都(監修):老いる前の整理はじめます,暮らしと「物」のリアルフォトブック.クリエイツかもがわ,2019(8月1日初版発行購読)

 

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