浅学菲才の嘆息

佐藤洋一郎さんの「米の日本史 稲作伝来、軍事物資から和食文化まで」を読んで

 日本人にとって特別な食・コメ。稲はどこから日本列島に伝来し、どのように日本に普及したのかなど、稲作の起源を解説します。各時代の中でどのように米が作られ、そして水路建設するほど水利に力を入れ、お酒や和菓子づくりなど米食文化が花開いた近世時代を紹介します。さらに、戦国時代、明治の富国強兵、そして、先のアジア・太平洋戦争を支えた米と兵站・ロジスティックの相関も考察します。農学や文化の視点を交えながら「米食悲願民族」日本人の歴史を解き明かします。最後に、日本の少子高齢化と低成長、あるいは社会の縮小を前提としたときに、「地球環境」の視点で、持続可能な社会のために「米と魚(淡水魚)」のシステムこそが日本の持続可能なシステムであることは、歴史が如実に物語っているとまとめます。

 

佐藤洋一郎:米の日本史 稲作伝来、軍事物資から和食文化まで.中央公論社新書,2020(2月19日)

 

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