まんがでわかる
高校生が日米地位協定を調べてみた!
日本を被うアメリカの力に迫れ
著者:平良隆久
「ゴルゴ13」原作スタッフ平良隆久吠える!!
作画:藤沢勇希
監修:前泊博盛
- 米軍の北朝鮮への先制攻撃はない
米軍が日本で低空飛行で事故を起こした、1994年は北朝鮮の核開発が明らかになり、当時の米国大統領のクリントンが、北を先制攻撃をしようと計画した時だ。しかし、クリントン政権にいたウイリアム・ペリー国防長官が、部下に戦争のシュミレーションをさせた。その結果90日以内に在韓米軍5万2000人、韓国軍49万人、そして民間人を入れると100万人以上が死傷するとの数字が出たのだ。もし、北朝鮮の核施設などに対して、精密攻撃ができたとしても、全面戦争につながる可能性が高く、甚大な人名の損失が予想されたのである。
クリントン大統領は、その為にこの攻撃を止めざるを得なくなった。日本のマスコミ人の中には、あの時に米軍が攻撃していれば、今の様に北朝鮮が核を大量に保有する事は無かったと思っている人も多いようだが、それが不可能だからこそ、米軍は先制攻撃を止めたのだ。
北朝鮮が保有しているVXガスは、たった1ミリリットルで人一人の致死量がある。2リットル入りのペットボトルで、何と20万人もを死傷するのだ。米軍は北朝鮮は、この最強のVXガスを始め化学兵器を約5千トンも保有しているとみている。アメリカに大量化学兵器保有の嫌疑をかけられ、滅ぼされたイラクのフセイン大統領は、実は大量化学兵器を保有していなかった。しかし、フセイン政権とは違って、北朝鮮は確実にどのガスを保有しているのだ。そして、何千発もあるロケット弾にそれを積んで、韓国を一斉攻撃する事が可能なのである。
平良隆久:まんがでわかる日米地位協定.小学館,2020(8月8日初版第1冊発行)