浅学菲才の嘆息

加藤圭木さん監修、一橋大学社会学部加藤圭木ゼミナール編集の「『日韓』のモヤモヤと大学生のわたし」を読んで

 一橋大学社会学部加藤圭木准教授と韓国からの留学生を含む5人のゼミナール学生が、日韓のモヤモヤを共有し、日韓の歴史を学び、考えていきます。

 K-POPを楽しみ、韓流映画にはまり、韓流推しを友人と共有すると「反日」の烙印を押される。インターネットで無尽蔵に拡散する韓国=反日という流言のモヤモヤする感情。日本の学生と韓国から留学した学生の体験をナラティブに語り、明治期以降の征韓論日露戦争後の韓国併合、戦時中の従軍慰安婦や徴用工問題、戦後処理と朝鮮戦争竹島問題など、日韓に関わるモヤモヤを日韓の歴史から紐解き、整理していきます。不勉強だったのは、朝鮮戦争は停戦のまま南北に別れ、日本は北朝鮮との国交正常化はおろか、戦後処理に関する話し合いも行われていない事実。そして、日本による侵略がまた朝鮮を南北に分断した主要因であることに、あらためて侵略戦争の愚かさを再確認し、ロシアによるウクライナ侵攻をみても歴史は繰り返す。軍事費を2倍に増額するなど、悪しき歴史を繰り返さない学びを再確認した8月に出会った1刷となった。

 

加藤圭木監修,一橋大学社会学部加藤圭木ゼミナール編集.大月書店,2021(7月15日第1刷発行,2021年8月15日第2刷発行購読)

 

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