浅学菲才の嘆息

岡田斗司夫さんの「誰も知らないジブリアニメの世界」を読んで

 2013年の「風立ちぬ」を最後に、会見までして引退宣言をした巨匠が、引退を撤回し、新作長編映画に取り組んでいることが、2016年11月にNHKで放送されたドキュメンタリーで発表された。前作から10年の長期のブランクを経て「君たちはどう生きるのか」と名づけられた新作は2023年7月に公開予定となっている。

 本書は、東京大学の講師時代に「オタク学入門」を著した岡田斗司夫氏が、宮崎駿監督の新作を目前に、「風のたちのナウシカ」以降の宮崎駿監督の10作品を著者らしく多面的に検証し、宮崎駿の心の動きを洞察し、宮崎駿の映画に傾注する生い立ちや背景、また政治情勢も含めて作品への影響も考察する。環境問題、飛行機への憧れと悔恨、戦争への危機感など、宮崎駿監督の問題意識と作品に込めた思いを振り返る絶好の機会です。新作を鑑賞する前に、宮崎駿監督作品をおさらいするお薦めの新書といえる。

 

岡田斗司夫:誰も知らないジブリの世界.SB新書,2023(4月15日初版第1冊発行購読)

 

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