浅学菲才の嘆息

告白 岐阜・黒川 満蒙開拓団73年の記録 を読んで

 

  2017年8月、NHK ETV特集で放送された「告白~満蒙開拓団の女たち~」を整理し、証言なども追加し、出版されました。

 第2次世界大戦前、日本政府が進めた満蒙開拓政策により、岐阜県加茂郡黒川村(現・白川町黒川)を中心に約650名が、旧満州中国東北部吉林省陶頼昭に入植しました。敗戦後、現地の人々による襲撃や食糧不足の中、生き延びるために、侵攻してきたソ連軍将校に開拓団の護衛と食料調達を依頼。その見返りとして、開拓団の未婚女性15人が「性の接待」をするという約束がなされました。近隣の開拓団の集団自決が相次ぐ中、「接待」により、およそ450人が帰国を果たします。しかし、帰国後の住宅や生活、仕事に苦心し、また言われなき差別を受け、沈黙してきた帰国者達。事件から70年が経ち、過去の記憶に苦しめられ続けた乙女達が被害の実態を語ります。

 被害を受けた「乙女の碑」の一説より「傷つき帰る 小鳥(娘)たち 羽根(心)を休める 場所もなく 冷たき眼 身に受けて 夜空に祈る 幸せを」。

 

川 恵実,NHK ETV特集取材班 :告白 岐阜・黒川 満蒙開拓団73年の記録,かもがわ出版,2020(3月31日)

 

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