浅学菲才の嘆息

中野信子さんの「世界の『頭のいい人』がやっていることを1冊の本にまとめてみた」を読んで

 某雑誌の2022年9月号に東京都立大学特任教授の宮下与平氏が、主権者意識や職員育成の論文で「新自由主義社会の青年の特性と職員育成方法のポイント」16項目について、脳科学者、認知科学者の中野信子さんの書籍を参考にしたとの記載があり、編集部に問い合わせて購読してみました。

 世界の「頭のいい人」がやっていることなので、私みたいな凡人でどう考えるかと思いながらサクサクと読み進めてみた。「空気は読まない」では、若い頃から過度に「空気を読み」、気配を感じ、同調圧力に迎合してきた自信の不甲斐なさを痛感した。よく言われるが過度でなく適度のストレスの重要性は、仕事や生活に張り合いをもたらす。「本から何でも吸収する」では、研修会や座学に頼らず読書こそ最大の学びの機会であることを再認識した。「やらない事リストをつくる」にハットさせられ、記憶する際は「脳内に検索タグをつける」方法は、三田紀房の「ドラゴン桜」で用いられた「メモリーツリー」を彷彿させる。簡単なようで、実行するには難しい課題も少なくないが、自身を見つめ直す機会になった。プロ野球選手のイチローさんは、「合理的になるには無駄なことをたくさんしないとダメ」と発言するが、凡人にはこれが合理的で無駄のない働き方を身につける一番の近道でないかと妙に納得した。

 

閑話休題

 漫画家の三田紀房さんの作品には賛否もあるだろうが、ドラゴン桜における受験や学習、記憶の手法は、ある意味においては適正ではないかと思える。三田紀房さんは、高校野球監督を主人公にした「クロカン」、転職の実態をケースで紹介する「エンジェルバンク」、高校野球にまつわるお金の問題を掘り下げた「砂の栄冠」、経済をテーマにした「インベスターZ」など、漫画で楽しく、そして広く知識を得る意味で、中野信子先生が楽しく漫画で学ぶ事を推奨されている点にも共感した。

 

中野信子:世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊の本にまとめてみた.アスコム,2021(9月14日第一刷発行,2022年8月14日第19刷購読)

 

www.ascom-inc.jp

 

honto.jp