浅学菲才の嘆息

清田隆之さん(桃山商事)の「自慢話でも武勇伝でもない『一般男性』の話しから見えた生きづらさと男らしさのこと」を読んで

 前作の「さよなら俺たち」から2年、桃山商事として、女性のみならず男性の悩みにも寄り添い、10人の男性の生き方、生きづらさ、悩み、性癖などを紹介し、正論はかざさず、答えは読者に委ねる著者の優しさが染みる。本書に紹介される男性たちは、医療専門職から見れば、アダルトチルドレン愛着障害、セックス依存、DVなど、様々な症状となるのかもしれない。事実、自ら医療専門職にアクセスしたことで自己認知つながった男性も紹介される。なかなか自分の悩みを言語化して自認することが難しい男性の一方で、「素直な言語化は気持ちいい」と表現できる男性も。男性として下駄を履かされて生きてきた男性性をふり返り、多様な生き方を模索するきっかけの書としてはどうだろうか。

 

清田隆之(桃山商事):自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話しから見えた生きづらさと男らしさのこと.扶桑社,2021(12月20日初版第1刷発行購読)

 

honto.jp