2022年のロシアのウクライナ侵略に続き、2026年にはアメリカのベネズエラ攻撃、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃で、石油を巡る世界経済は大混乱。編者の三牧聖子氏の序章と問題提起を受け、12人の論客が縦横に世界情勢と歴史背景を理論展開する。イラン戦争とアメリカを俯瞰しつつ、中東におけるイランの歴史的背景、アメリカのキリスト教福音派とトランプの理論を深掘りする。中国のしたたかな行動原理は、下落しつつある中国経済支える行動戦略ではないか。グローバルサウスによる多国間主義の戦略。逆流する「対テロ戦争」の中で、増加する指導者殺害作戦。第二次世界大戦で空襲と攻撃を受けなかった日本の皇居と国会議事堂周辺。対比する現在の増加する手段を選ばない指導者暗殺は現状変更の大きな成果は得られていない。最後に内田聖子氏が、「軍拡はAIからはじまる」として、警鐘をならす。現在の混沌とした世界情勢を整理する12人の論考に学ぶことは多い。
三牧聖子編:「アメリカの戦争」と世界危機-イラン侵攻は何をもたらすのか.岩波新書,2026(6月19日第1冊発行購読)
