浅学菲才の嘆息

保坂正康さんの「昭和の怪物 7つの謎」を読んで(2)渡辺和子は死ぬまで誰を赦せなかったのか

 

 

尊敬する渡辺和子さん。「置かれた場所で咲きなさい」では、様々な人びとの人生を輝かせた名著より。 

 

保阪正康二・二六事件では、単純に青年将校が決起した事件ではなく、荒木元陸将や真崎大将ら、いわゆる皇道派の将軍が青年将校を煽った(あおった)結果起きたとする説が有力です。真崎の事件への関与の度合いは諸説ありますが、青年将校の不穏な動きに同調していたことは疑いない。お父様(二・二六事件で、渡辺和子さんの目の前で44発の銃弾で射殺された渡辺錠太郎さん)の口から二人の名前を聞いたことはありませんか。

渡辺和子:父からはありません。父が亡くなってから、色々な話しを伝え聞きました、私がもし腹を立てるとすれば、父を殺した人たちだけではなく、後ろにいて逃げ隠れをした人達です。

保坂正康:荒木、真崎などの陸軍の指導者ですね。

渡辺和子:はい。私が本当に嫌だと思うのは、真崎大将が事件直後、青年将校に対し、「君たちの精神はよく判っている」と理解を示しながら、昭和天皇が断固鎮圧をお命じになると、態度を一変させたことです。(真崎は軍法会議で無罪)。軍人なのになぜ逃げ隠れなさったのか。そういう思いは今も持っています。 

 

保阪正康

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E9%98%AA%E6%AD%A3%E5%BA%B7

 

渡辺和子

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E5%92%8C%E5%AD%90

 

渡辺錠太郎

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E9%8C%A0%E5%A4%AA%E9%83%8E

 

真崎甚三郎

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E5%B4%8E%E7%94%9A%E4%B8%89%E9%83%8E

 

荒木 貞夫

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%92%E6%9C%A8%E8%B2%9E%E5%A4%AB

  

bookclub.kodansha.co.jp

honto.jp