浅学菲才の嘆息

映画『7つの会議』を鑑賞して

映画『7つの会議』を鑑賞して

ヒット作を連発している原作の池井戸潤さんの原作を、福澤克維監督が、見事に編み上げた作品で、ハラハラ・ドキドキの連続であった。

企業内の、ねつ造、隠蔽、改ざん、裏切り、など、余すことなく表現し、しかし、一方で友情や連帯の大切さも訴えかけた作品であるように感じた。

映画のラスト場面で、主演である八角民夫(野村萬斎)が、語りかけるシーンがなんとも言えない。結局は、今後も組織事故・不祥事は続くであろうことを予見し、それでもどうしたら、少なくできるかを語りかける場面にこそ、現代社会に対する提言になっているのではないかと強く感じた。

 

さて、1999年に、ジェームズ・リーズンの『組織事故―起こるべくして起こる事故からの脱出』が出版されて久しい。しかし、旧態依然として、組織事故がなくならないことを、我々が自覚し、改善に向けて常日頃から組織と向き合うことが肝要なのだろうか?

 

ジェームス・リーズン:組織事故―起こるべくして起こる事故からの脱出.日科技連出版社,1999